コラム「伸縮自在」
 第6回

「1に来る人,2に金払う人,3・4がなくて5にうまい人」(その4)

〜5にうまい人〜


 やっと来ました。いままでどうして「うまい人」がでて来なかったのか。そりゃあうまい方がいいですよね。ガタボロよりびしっとしたオケの方がいいに決まってます。

 ではなぜ「3、4がなくて5にうまい人」なのでしょうか。前回の「フリーのアマチュア」ではありませんが、もし「1にうまい人」ならそういう人だけで集まってリハを2,3日やって本番を迎えれば済みます。そういった「寄せ集めオケ」でいい演奏が出来るのでしょうか。

 シカゴ交響楽団ではフルートとオーボエのかつての首席奏者は20年以上口をきいたことがなかったとか、トロンボーンの2ndと3rdも口をきかないどころかそっぽを向いて演奏していたなんていうこともあったそうです。でも彼らはプロ中のプロです。個人的には気に入らないからといってそれが自分の演奏に少しでも現れたらクビ です。だから彼らは完全に割り切って演奏しているわけです。

 では倉管はどう進んでいったらいいのでしょうか。「いい音楽を」目標とするからには、多少の厳しさは必要です。でも失敗した奏者をお互いに罵りあうことでいい音楽が実現できるのでしょうか。私は個人の向上心は当然としても、それだけでなくオケ全体が互いに支え合って高め合い、よりよい演奏を目指す、それがいいオケなのだとおもいます。自分のパートさえ出来ればいい、ということではいい音楽は出来ないと思います。また演奏面だけでなく運営面もいい音楽を作り出すための大事な要素だと思うのです。

 全国にプロでないオケはたくさんありますが、あちこち聴く限りでは、倉管の演奏レベルは高い方だと思います。でもそれに甘んじずにもっと上を目指しましょう。
 そのためのカギはこんなところにあるのではないでしょうか。  (sobu)


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